1890年オーストリアのウィーン生まれ。美術を学び画家となるが第一次大戦に従軍し、負傷中にシナリオ執筆を始める。1918年戦争が終わるとベルリンで映画脚本家となる。1919年監督として『混血』『ハラキリ』『蜘蛛』などを次々と発表。1922年には脚本家テア・フォン・ハルボウと結婚、その後のドイツ時代のラング作品の大半が彼女のシナリオによる(1933年に離婚)。大作が続いた20年代ラングはドイツ映画を代表する存在となるが、製作規模が膨みすぎた『メトロポリス』(1927)で経営陣と対立したものの、それ以降も『スピオーネ』(1928)『M』(1931)など犯罪映画の傑作を連作。1933年ナチス政権からドイツ映画界の指導的地位を嘱望されるが亡命。フランスを経由して1934年アメリカに渡る。翌年アメリカ国籍を取得し、1936年以降『激怒』『暗黒街の弾痕』(1937)『飾り窓の女』(1944)など様々なジャンル映画を発表する。1958年ドイツで『大いなる神秘』二部作、そして1960年に最後の作品『マブゼ博士の千の目』を監督。1976年アメリカで死去。
死滅の谷 Der müde Tod 1921
ドクトル・マブゼ Dr. Mabuse 1921/22
ニーベルゲン/ジークフリード Die Nibelungen: Siegfried 1922/24
ニーベルゲン/クリームヒルトの復讐
Die Nibelungen: Die Nibelungen: Kriemhilds Rache 1924
メトロ・ポリス Metropolis 1927
スピオーネ Spione 1928
月世界の女 Frau im Mond 1931
M M- Eine Stadt sucht einen Mörder 1931
怪人マブゼ博士 Das Testament des Dr. Mabuse 1932
暗黒街の弾痕 You Only Live Once 1937
マン・ハント Man Hunt 1941
死刑執行人もまた死す[完全版] Hangmen also Die! 1943
恐怖省 Ministry of Fear 1944
スカーレット・ストリート Scarlet Street 1945
外套と短剣 Cloak and Dagger 1946
扉の蔭の秘密(扉の影の秘密) Secret Beyond the Door 1948
熱い夜の疼き(クラッシュ・バイ・ナイト) Clash by Night 1951
無頼の谷 Rancho Notorious 1952
ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ The Big Heat 1953
仕組まれた罠(人間の欲望) Human Desire 1954
ムーンフリート Moonfleet 1955
口紅殺人事件 While the City Sleeps 1955
条理ある疑いの彼方に(合理的な疑いを越えて)
Beyond A Reasonable Doubt 1956
大いなる神秘 第1部 王城の掟/第2部 情炎の砂漠
Der Tiger von Eschnapur/Das Indische Grabmal 1958