溝口健二


1898(明治31)年東京本郷湯島生まれ、浅草育ち。20年、日活向島撮影所に入社。田中栄三の助監督を経て、23年、初監督。5作目の「敗残の歌は悲し」(23)で好評を得、探偵映画「813」(23)、表現主義映画「血と霊」(23)、無字幕映画「霧の港」(23)など様々なジャンルに挑戦するが、関東大震災を境に京都に移る。25年、愛人に背中を斬られ新聞沙汰となるも、翌年復帰。「紙人形春の囁き」(26)「狂恋の女師匠」(26)で第一線の監督となる。33年の「滝の白糸」で注目され、36年、脚本の依田義賢と組み、女性の受難を酷薄に描く傑作「浪華悲歌」「祇園の姉妹」を撮り、名声を確立する。戦後は、「西鶴一代女」(52)がヴェネチア国際映画祭国際賞、「雨月物語」(53)と「山椒大夫」(54)が、同映画祭銀獅子賞に輝く。「赤線地帯」(56)を完成した後、1956(昭和31)年8月24日、白血病にて逝去。享年58歳。


過去の上映作品

ふるさとの歌 1925
朝日は輝く 1929
東京行進曲 1929
滝の白糸 1933
マリアのお雪 1935
浪華悲歌 1936
祇園の姉妹 1936
愛怨峡 1937
残菊物語 1939
元禄忠臣蔵・前後編 1941
歌麿をめぐる五人の女 1946
お遊さま 1951
祇園囃子 1953
噂の女 1954
近松物語 1954
赤線地帯 1956