売春禁止法案国会上程の最中にそれを題材とした溝口の遺作。吉原の「夢の里」で働く五人の女、利発な若尾文子や奔放な京マチ子、発狂する三益愛子、結核の夫と子供を抱える木暮実千代らの複雑な人間関係の交錯を描く。黛敏郎の物議を醸した音楽が、この酷薄な世界に不気味に調和する。