戦前の溝口がリアリズムを確立した現代劇の傑作。依田義賢が初めて脚色に参加。大阪の製薬会社に勤める村井アヤ子(山田五十鈴)は、公金を横領した父を救うために社長の妾になるが、夫人に発覚する……。社長の志賀廼家弁慶と夫人の梅村蓉子、株屋の進藤英太郎と山田の大阪弁の掛け合いも魅力。