19世紀末、デンマークに生まれる。本名はデトルフ・ジールク。10代でドイツに渡り、演劇を学ぶ。演出家として一躍有名になるが、ナチの弾圧を嫌い、演劇よりは自由な創作活動に励める映画を選び、ウーファ社に入社。33年のヒットラー政権確立とともに数々の著名な映画人(フリッツ・ラング、ロバート・シオドマーク、ビリー・ワイルダー等)が亡命した当時、彼らが不在となったドイツ映画のトーキー初期に活躍する。同社にて、本名で「南の誘惑」「世界の涯てに」など数々の作品を監督。夫人がユダヤ系だったため、1937年、ついにアメリカへ亡命。ドイツ的な名では仕事がつかないため、ダグラス・サークと改名。「風と共に散る」「間奏曲」など約30本の映画をハリウッドで監督する。ハリウッドの高度な技術と彼の繊細で多彩な才能の融合は、ハリウッドにおける最も優れたメロドラマ作品を創出したといえる。また、メロドラマ以外にも西部劇、ミステリーなど多くのジャンルの傑作を残したが、「悲しみは空の彼方に」を最後にドイツへ帰国。テネシー・ウィリアムズやシュニッツラーを翻訳した短篇をハンナ・シグラやファスビンダーを主演に迎えて数本撮ったほかは本格的な映画活動に携わることなく、目を患い、スイスに隠棲する。1987年に死去。
南の誘惑(ハバネラ) La Habanera 1937
眠りの館 Sleep, My Love 1948
誰かあの娘に会ったかい? Has Anybody Seen My Gal? 1952
僕と祭で会わないかい? Meet Me at the Fair 1952
わが望みのすべて All I Desire 1953
自由の旗風 Captain Lightfoot 1955
風と共に散る Written on the Wind 1956
翼に賭ける命 The Tarnished Angels 1957
愛する時と死する時 A Time to Love and A Time to Die 1958
悲しみは空の彼方に Imitation of Life 1959