ストローブ=ユイレの軌跡 1962-2020
Rétrospective Straub-Huillet 1962-2020
第1期:2020年11月17日(火)—11月21日(土)(日曜・月曜休館/5日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
映画による抵抗運動を続けたジャン・マリー・ストローブとダニエル・ユイレ。 2006年同志にして伴侶であったユイレを失った後も過激な映画制作を展開するストローブ。 デジタル時代に入ってもその創作意欲は衰えを知らない。 1962年の処女作『マホルカ=ムフ』から、新型コロナウィルス感染拡大下の2020年4月5日にネット配信された『ロボットに対抗するフランス』まで48作品を一挙上映。
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。
第1期:2020年11月17日(火)—11月21日(土)(日曜・月曜休館/5日間)
11月17日(火)
17:20 | 『マホルカ=ムフ』『妥協せざる人々』(計73分) |
19:00 | 『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』(93分) |
11月18日(水)
16:30 | 『花婿、女優、そしてヒモ』『オトン』(計111分) |
19:00 | 『歴史の授業』(85分) |
11月19日(木)
16:30 | 『アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための伴奏音楽》入門』『モーゼとアロン』(計120分) |
19:00 | 『フォルティーニ/シナイの犬たち』(83分) |
11月20日(金)
16:30 | 『すべての革命はのるかそるかである』『雲から抵抗へ』(計116分) |
19:00 | 『早すぎる、遅すぎる』(101分) |
11月21日(土)
14:30 | 『アン・ ラシャシャン』『アメリカ(階級関係)』(計134分) |
17:10 | 『四部の提案』(40分) |
18:00 |
トーク:
「ユイレとストローブの考える「異化(Verfremdung)」とは何か ーー『四部の提案』の副題 「血と土(Blut und Boden)」 をめぐって」 持田睦(演出家/ストローブ=ユイレ研究者) |
ジャン=マリー・ストローブ Jean-Marie Straub
ダニエル・ユイレ Danièle Huillet
ジャン=マリー・ストローブ(1933- )とダニエル・ユイレ(1936‐2006)は40年以上にわたって共同で挑発的な映画を作った。ロレーヌ地方メス出身のストローブは、徴兵忌避のため58年に西ドイツに亡命、さらに69年にローマに生活・活動拠点を移した。彼らの作品の大半は先行する文芸作品に基づくが、その原典の本文の扱いは厳密で、叙述内容の伝達を効率化する改変は避けられる傾向にある。高度に文学的なドイツ語、フランス語、イタリア語の3か国語を用いて作られる彼らの映画は、2006年のダニエル・ユイレ死後もその基本姿勢を変えることなく、ストローブによって継続されている。音声言語の含蓄、音楽的抑揚に重きをおいており、その厳密な画面構図と時間構成、計算された身ぶりと廃棄しえない偶発性の弁証法は、映画表現の革命的な潜勢力を示唆している。