アンゲラ・シャーネレク監督特集
Retrospektive de Angela Schanelec
2018年3月14日(水)-3月17日(土)(4日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
ベルリン派の女性監督、アンゲラ・シャーネレク監督の来日を記念して、シャーネレク監督作品の最新作『はかな(儚)き道』に加え、日本初上映を含む五つの長編を一挙上映します。
監督舞台挨拶の日時変更のお知らせ
3月15日(木)19:30から『オルリー』上映前に予定していた監督舞台挨拶の日時が下記のとおりに変更になりました。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
3月14日(水)
19:30『私の緩やかな人生』上映前 監督舞台挨拶あり
アンゲラ・シャーネレクの映画について
「(新)ベルリン派」という21世紀ドイツの作家映画が世界で注目を集めてから10年以上が経過した。今や「(新)ベルリン派」は一つの歴史となり、個々の作家たちが新たな地平を目指して活動している。その中で第一世代ともいえるペッツォルト、アルスランと並んで、アンゲラ・シャーネレクはもっとも先鋭的で独自の映画美学を構築した映画作家である。その研ぎ澄まされた映像表現とストーリーを大胆に切断するナラティヴの手法、シャーネレク本人もどの作家から影響を受けたのか分らないという孤高の作風に触れた時、現代のインディペンデントの非商業路線の極限の姿が見えてくる。今世界でもっとも繊細に感情を捉えられる映画の作り手がシャーネレクだと云ってよい。もちろん映画は映像と音と言葉の積み重ねに過ぎない。だがその表層の奥にある見えないもの、聞こえないもの、すなわち人間そのものへと向かうシャーネレクの映画の意義を今こそ真剣に考えてみるべきではないか。
渋谷哲也(ドイツ映画研究者)
■上映スケジュール ※トーク情報はこちらから
3月14日(水)
17:30 | 『マルセイユ』(95分) |
19:30 | 『私の緩やかな人生』(85分) |
3月15日(木)
17:30 | 『はかな(儚)き道』(86分) |
19:30 | 『オルリー』(82分) |
3月16日(金)
14:20 | 『私の緩やかな人生』(85分) |
16:10 | 『昼下がり』(97分) |
18:20 | 『マルセイユ』(95分) |
3月17日(土)
12:30 | 『昼下がり』 (97分) |
14:40 | 『オルリー』(82分) |
16:30 | 『はかな(儚)き道』(86分) |
■監督紹介
©JoachimGem
アンゲラ・シャーネレク
Angela Schanelec
1962年、バーデン=ヴュルテンベルク州アーレンに生まれる。1982年から1984年にフランクフルトで俳優になるために学び、その後1991年までケルン、ハンブルク、ベルリン、ボーフムなどドイツ各地の劇場の舞台に立つ。1990年から五年間、ベルリンのドイツ映画テレビアカデミーに学び、95年から独立映画監督として活動を始める。2005年に自身の映画会社を設立する。2012年から現在までハンブルク造形大学の教授を務める。
ベルリンのアカデミー時代から短編映画を発表し、1998年の長編デビュー作『都会の場所』はカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。2004年作『マルセイユ』は、ドイツ映画批評家賞脚本賞を受賞、2007年作『昼下がり』はアルバ国際映画祭監督賞を受賞した。ドイツの映画監督13名による短編オムニバス映画『ドイツ09』(2009) では最初のエピソードを監督している。無駄を排したミニマルな手法はアントニオーニ、アケルマン、ブレッソンらと比較される。
3月14日(水)
19:30 『私の緩やかな人生』上映前舞台挨拶あり
3月16日(金)
20:00 トーク:『マルセイユ』と『昼下がり』について
ゲスト:アンゲラ・シャーネレク
3月17日(土)
18:00 トーク『オルリー』と『はかな(儚)き道』について
ゲスト:アンゲラ・シャーネレク+渋谷哲也(ドイツ映画研究者)
主催:
渋谷哲也 (科研費基盤研究(C)16K02324 「戦後ドイツにおける『作家映画』の系譜」)