ローマに半年間出かける友人の部屋を借りて住むことにしたヴァレリー。彼女の夏はベルリンに留まり論文を仕上げることに費やされる。そこで様々な友人たちが出会い、別れ、すれ違う。まだ若いマリアの結婚式に人々が会し、やがて静かに夏は終わってゆく。
写真家ゾフィーは部屋交換の広告を見て、マルセイユに滞在する。やがて舞台はベルリンに移り、ゾフィーの写真の仕事や女優ハンナの息子や恋人と生活が綴られる。恋人との関係に揺れるハンナ。一方ゾフィーはもう一度マルセイユを訪れることにする。
©Reinhold Vorschneider
チェーホフの『かもめ』に着想を得て、母、息子、兄、恋人、若い女性の関わり合いを、ある夏の昼下がりに凝縮したドラマ。忠実な脚色というよりも原作のイメージや言葉の切れ端が波紋のように広がり、静かな夏のベルリンを彩ってゆく。
©Baba Yaga
パリのオルリー空港に集まった何組かの人々に焦点を当て、どこかで繋がっているらしいそれぞれの人生模様を紡いでゆく。行き場を失った魂たちがつかの間触れ合いそして別れていく様を、さりげないカメラワークで追いかけてゆく実験的な群像劇。
©Filmgalerie 451
1984年一組の男女が路上で歌い、ギリシャの変化を見つめる。やがて男の母が事故で重篤となり、男は重大な決断をする。そして舞台は30年後のベルリン、学者と女優の夫婦が離婚の局面を迎える。人生はまるで夢のように唐突に変化し、はかなく過ぎてゆく。