植岡喜晴レトロスペクティヴ デジタル修復版上映会
「8mmフィルムに囚われた男、植岡喜晴がみた夢」
2024年2月16日(金)・17日(土)(2日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
1980年代、全国的に8mm自主制作映画が絶頂期を迎える中、作品の完成度の高さからその名を広く知られる存在となった植岡喜晴は、その後、劇場映画デビューを果たすも商業映画界には戻らず、映画美学校に活動の場を移し、2022年4月に他界するまで、生涯8mmフィルムの自主制作にこだわり続けました。
今回の特集では、デジタル化した8mm作品を中心に上映すると同時に、唯一の劇場映画『精霊のささやき』を、国立映画アーカイブが所蔵するニュープリントで上映。
また、上映と並行して、多彩なゲストを迎えてトークを実施することで、異色の映画作家植岡喜晴の再評価を試みます。
【トークゲスト追加決定のお知らせ】①
2月16日(金)Aプログラムのトークゲストに俳優の戸田昌宏さんが追加決定いたしました。
【トークゲスト追加決定のお知らせ】②
2月16日(金)Cプログラムのトークゲストに脚本家・映画監督の高橋洋さんが追加決定いたしました。
詳細はスケジュールをご確認ください。
「キリスト?シュトロハイム? 映画の夢、植岡喜晴」
植岡喜晴監督によくお会いしていたのはゼロ年代で、氏はもうあの長髪、口ヒゲあごヒゲのスタイル。「イエス・キリストが転生して関西人になったようなひと」と思った。それは以前に観ていた監督作品のイメージを裏切らないチャーミングさとカッコよさであり、またとにかく日常的には柔和で優しく、惹きつけられた。
…と同時に植岡さんは「京橋のシュトロハイム」とその頃講師として居た映画美学校(当時は京橋にあった)であだ名され、サイレント映画期の呪われた映画作家E・V・シュトロハイムになぞらえて『月へ行く』の予算超過と現場の過酷さと完成作の圧倒的凄みが畏怖され、『ルック・オブ・ラブ』が全然完成しないことへの困惑が語られていた。
あれは何だったのか? まったく偉ぶらず圧もかけず、むしろヘラヘラしてるのに、このカットを撮る!こういう映画を撮るんや!という意志がすごかった。できたものがすごかった。付き合うとちょっと死にそうになった…。イマジネーション、夢みる映画が大きく既成のものをはみ出して、鮮やかで、ディープでカオスな、真の映画監督だった。
なんとかこれだけのものが、極上の映画の夢が遺された。必見だと思う。
千浦僚(映画文筆)
■上映スケジュール
※チケットは1本目の上映30分前から当日上映分を販売します。
2月16日(金)
13:30 |
Aプログラム: 『ルック・オブ・ラブ』(108分) トーク: いまおかしんじ(映画監督)、葉月蛍(俳優)、瀬々敬久(映画監督)、戸田昌宏(俳優) 司会:千浦僚(映画文筆) |
16:30 |
Bプログラム: 『アカイヒト』『月へ行く』『恋のそよ風』『花子さんのこと』 (計120分) |
19:00 |
Cプログラム: 『植岡喜晴メモリアル映像』『みかこのブルース』『雑木林襲撃』 『ストレート・ノー・チェイサー』『ヤクザと地底人間』 トーク: 宮田亜紀(俳優)、川井弥生(美術)、高橋洋(脚本家・映画監督) 司会:千浦僚 ※『ストレート・ノー・チェイサー』は上映分数を約30分と表記しておりましたが、47分に変更となりましたため、Cプログラムの上映分数は計111分となっております。尚、開映時間の変更はございません。 何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。 |
2月17日(土)
12:50 |
Dプログラム: 『精霊のささやき』(90分) トーク: 加藤賢崇(俳優・ミュージシャン)、一瀬隆重(映画プロデューサー) 参考上映:『エロス・なす娘』(24分) |
15:55 |
Eプログラム: 『眠れる森の吸血鬼』『WONDER WALL』『奇術師』(計115分) |
18:20 |
Fプログラム: 『夢で逢いましょう』(リマスター版/135分) トーク: 手塚眞(映画監督)、増井公二(映画監督)、あがた森魚(ミュージシャン・映画監督) |
■監督プロフィール
植岡喜晴
Yoshiharu Ueoka
植岡喜晴は1954年神戸生まれ。関西学院大学在学中の1970年代後半に8mm映画制作を始めた。1980年代、自主制作8mm映画が全国的に絶頂期を迎える中、作品の完成度の高さからその名を広く知られる存在となった。その後、劇場映画デビューを果たすも商業映画界には戻らず、映画美学校に活動の場を移し、生涯8mmフィルムの自主制作にこだわり続けた。2022年4月逝去。
■告知
追悼本「植岡喜晴のみた夢」
上製本168ページ
豪華執筆陣!
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ueoka2023@gmail.com
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