Im Apparat 現代ドイツ映画作家シリーズ
クリスティアン・ペッツォルト 日本未公開作の上映とオンライントーク
2022年11月12日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター
現代ドイツ映画を代表する映画作家であるクリスティアン・ペッツォルトの日本未公開作『死んだ男』を上映し、オンラインでのトークと質疑応答を実施します。
本作はペッツォルトの劇場映画デビュー作『治安』に続き、Bムービー、ヒッチコック、そしてドイツの犯罪映画への大いなる敬愛をこめて製作された初期のテレビ映画です。主演ニーナ・ホスは本作がペッツォルトとの初顔合わせとなりました。また、映画アカデミーの師ハルーン・ファロッキとの共同脚本作業の始まりでもあり、本作のシナリオは4週間で書き上げられました。
本企画は慶應大学アンドレアス・ベッカー氏によるドイツの様々なアーテイストや研究者を招いてのトーク〈Im Apparat〉シリーズの一環としてDAADの助成を受けて開催するものでもあります。
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。
11月12日(土)
17:00 | 『死んだ男』(88分) |
18:40 |
オンライントーク:クリスティアン・ペッツォルト(映画監督) 司会:アンドレアス・ベッカー(慶應義塾大学准教授) 進行・通訳:渋谷哲也(ドイツ映画研究者、日本大学文理学部教授) |
■上映作品
死んだ男
Toter Mann
2001年/88分/DVD/日本語字幕
脚本・監督:クリスティアン・ペッツォルト
撮影:ハルーン・ファロッキ
製作:ベッティーナ・ライツ
出演:ニーナ・ホス(レイラ) アンドレ・M・ヘニケ(トーマス) スヴェン・ピッピヒ(ブルーム)
物語は水泳プールで泳ぐレイラと、即座に彼女の虜になったトーマスの出会いから始まる。二人は偶然にしてはできすぎた再会を重ね、やがてトーマスはレイラを自宅に招く。翌朝彼女は忽然と姿を消し、弁護士であるトーマスのメモ帳も消える。次にレイラが姿を現したのは14年の刑期を終えて出所を目前にしたミヒャエルのいる刑務所だった。その彼の弁護を担当したのがトーマスだった。レイラの真の目的を知ったトーマスは、彼女への愛を確かめるべくレイラを追う。
■監督紹介
クリスティアン・ペッツォルト
Christian Petzold
1960年、ヒルデン生まれ。ベルリン自由大学でドイツ語と演劇を学んだ後、ベルリン・ドイツ映画テレビアカデミーに学び、ハルーン・ファロッキやハルトムート・ビトムスキーらの助監督を務める。テレビ映画の演出を手掛けた後、商業映画第一作『治安』(2000)を監督。『治安』はドイツ本国で10万人の観客を動員。 ドイツ映画賞最優秀賞を受賞し、一躍ドイツを代表する映画作家の一人となる。その後、『治安』と「幻影三部作」を構成する『幻影』(2005)『イェラ』(2007)等を発表。新しいドイツ映画を象徴する「ベルリン派」の中心的作家として、国際的な注目を集める。ニーナ・ホス主演で『東ベルリンから来た女』(2012)、『あの日のように抱きしめて』(2014)を発表し、名実ともにドイツを代表する監督となる。近作ではパウラ・ベーアが主演をつとめ、現在撮影を終えたばかりの新作『レッド・スカイ』は森林火災が主題となっている。