ブラジル「シネマ・ノーヴォ」の精神的支柱
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督回顧
Nelson Pereira dos Santos
A Spiritual Pillar Behind Brazil’s “Cinema Novo”
2019年11月7日(木)ー11月16日(土)(日曜休館 9日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
シネマ・ノーヴォの誕生を告げる『リオ40度』(1956)や1964年のカンヌ映画祭で世界に衝撃を与えた『乾いた人生』の監督ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス(1928-2018)。
同志グラウベル・ローシャと共にブラジルの革新的映画運動(シネマ・ノーヴォ)を牽引した映画作家の足跡を代表作で辿る追悼特集。
ブラックコメディ『私が食べたフランス人』(1971)を日本語字幕付で日本初上映。
頭に思想を、そして手にはキャメラを!
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。
11月7日(木)
16:10 | 『リオ40度』(100分) |
18:00 |
トーク: マリー=クリスティーヌ・ド・ナヴァセル (シネマ・デュ・レエル元ディレクター) |
19:00 | 『乾いた人生』(105分) |
11月8日(金)
14:00 | 『私が食べたフランス人』(84分) |
16:00 | 『オグンのお守り』(112分) |
18:30 | 『奇蹟の家』(148分) |
11月9日(土)
13:00 | 『人生の道~ミリオナリオとジョゼ・リコ』(103分) |
15:10 | 『監獄の記憶』(188分) |
18:30 | トーク:鈴木茂(歴史学者)、金子遊(映像作家・批評家) |
11月11日(月)
15:00 | 『第三の岸辺』(98分) |
17:10 | 『主人の館と奴隷小屋』(228分) |
11月12日(火)
14:30 | 『アントニオ・カルロス・ジョビン』(84分) |
16:30 | 『トム・ジョビンの光』(85分) |
18:00 | トーク:今福龍太(文化人類学者) |
19:00 | 『私が食べたフランス人』(84分) |
11月13日(水)
15:00 | 『監獄の記憶』(188分) |
18:40 | 『奇蹟の家』(148分) |
11月14日(木)
14:40 | 『主人の館と奴隷小屋』(228分) |
19:00 | 『第三の岸辺』(98分) |
11月15日(金)
14:30 | 『人生の道~ミリオナリオとジョゼ・リコ』(103分) |
16:40 | 『アントニオ・カルロス・ジョビン』(84分) |
18:30 | 『トム・ジョビンの光』(85分) |
20:00 | トーク:国安真奈(会議通訳・翻訳者、音楽ライター) |
11月16日(土)
13:00 | 『リオ40度』(100分) |
15:10 | 『乾いた人生』(105分) |
17:20 | 『オグンのお守り』(112分) |
19:20 | トーク: 筒井武文(映画監督) 井土紀州(映画監督・脚本家) 岡田秀則(国立映画アーカイブ主任研究員) |
■監督紹介
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス
Nelson Pereira dos Santos
1928年、サンパウロに生まれる。サンパウロ大学法学部に学び、ジャーナリスト、映画評論家、助監督を経て、リオのスラムを舞台にした『リオ40度』(1956)で長篇監督デビューを飾る。この映画は後に、新しいブラジル映画(シネマ・ノーヴォ)の先駆的作品とみなされるようになった。63年、長年の念願だったグラシリアーノ・ラモス原作『乾いた人生』の映画化を実現。グラウベル・ローシャの『黒い神と白い悪魔』とともに、シネマ・ノーヴォを代表する作品として国際的な評価を得る。軍事政権下、政治的寓話に満ちた作品を通して表現に磨きをかけ、民政移管が始まった74年以降は大衆映画を模索する一方、ブラジルにおける民主主義のあり方を歴史的に問い直すなか、『オグンのお守り』(1975)『奇蹟の家』(1977)『監獄の記憶』(1984)などを発表。自主的な映画上映網を組織するとともに、長年大学で後進の指導にあたるなど、つねに時代情況にコミットしながら製作と運動を続けてきた気骨の映画作家である。2018年4月21日死去。最後の作品は、ブラジル音楽を代表するミュージシャン、アントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)の関係者へのインタビューで構成した『トム・ジョビンの光』(2013)。ブラジルのナショナリティーを問い直す次回作の構想もあったと伝えられる。