映画の授業 Leçon de Cinéma 特別編
ドイツ古典映画セレクション
2022年8月4日(木)―8月13日(土)(8日間/日・月曜休映)
会場:アテネ・フランセ文化センター
「古典映画の再評価と現代映画の発見」をテーマに1970年以来上映活動を続けているアテネ・フランセ文化センター。毎年初夏に行っている「映画の授業 Leçon de Cinéma」の特別編として「ドイツ古典映画セレクション」を、フリードリヒ・ウィルヘルム・ムルナウ財団と紀伊國屋書店のご協力をいただき開催いたします。
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。
8月4日(木)
17:10 | 『フォーゲルエート城』(81分) |
19:00 | 『死滅の谷』(96分) |
8月5日(金)
16:00 | 『ドクトル・マブゼ』(264分)※途中10分休憩あり |
8月6日(土)
12:00 | 『ニーベルンゲン ジークフリート』『ニーベルンゲン クリームヒルトの復讐』(計286分)※途中10分休憩あり |
17:20 | 『吸血鬼ノスフェラトゥ』(94分) |
19:00 | トーク:葛生賢(映画批評家) |
8月9日(火)
15:30 | 『ファントム』(119分) |
18:00 | 『メトロポリス』(150分) |
8月10日(水)
16:40 | 『大公の財政』(80分) |
18:30 | 『スピオーネ』(144分) |
8月11日(木・祝日)
16:00 | 『最後の人』(90分) |
18:00 | 『月世界の女』(158分) |
8月12日(金)
17:30 | 『タルチュフ』(63分) |
19:00 | 『M』(110分) |
8月13日(土)
13:10 | 『ファウスト』(132分) |
15:50 | 『怪人マブゼ博士』(121分) |
18:00 | トーク:渋谷哲也(ドイツ映画研究者) |
■監督紹介
F・W・ムルナウ
Friedrich Wilhelm Murnau
1888年ドイツのビーレフェルトに生まれる。本名はフリードリヒ・ヴィルヘルム・プルンペ。大学では文献学、芸術史、文学を学び演劇に傾倒。大演出家マックス・ラインハルトの指導を受けたこともある。第一次大戦で捕虜となり、その頃からシナリオを書き始める。1919年に『青い少年』で監督デビュー。『フォーゲルエート城』(1921)を3週間で撮影したことで演出力が評価され、その後は吸血鬼映画の古典『吸血鬼ノスフェラトゥ』や才人カール・マイヤー脚本による『最後の人』などでドイツ古典映画を代表する監督となった。やがてハリウッドの目にとまり、1926年にフォックス社と契約を結ぶ。1927年に発表された渡米第一作『サンライズ』は映画史上の傑作である。しかし、自由のないハリウッドと決別。ドキュメンタリー映画作家ロバート・フラハティと共にタヒチで『タブウ』(1931)を監督するが、初公開直前に自動車事故で世を去った。
フリッツ・ラング
Fritz Lang
1890年オーストリアのウィーン生まれ。美術を学び画家となるが第一次大戦に従軍し、負傷中にシナリオ執筆を始める。1918年戦争が終わるとベルリンで映画脚本家となる。1919年監督として『混血』『ハラキリ』『蜘蛛』などを次々と発表。1922年には脚本家テア・フォン・ハルボウと結婚、その後のドイツ時代のラング作品の大半が彼女のシナリオによる(1933年に離婚)。大作が続いた20年代ラングはドイツ映画を代表する存在となるが、製作規模が膨みすぎた『メトロポリス』(1927)で経営陣と対立したものの、それ以降も『スピオーネ』(1928)『M』(1931)など犯罪映画の傑作を連作。1933年ナチス政権からドイツ映画界の指導的地位を嘱望されるが亡命。フランスを経由して1934年アメリカに渡る。翌年アメリカ国籍を取得し、1936年以降『激怒』『暗黒街の弾痕』(1937)『飾り窓の女』(1944)など様々なジャンル映画を発表する。1958年ドイツで『大いなる神秘』二部作、そして1960年に最後の作品『マブゼ博士の千の目』を監督。1976年アメリカで死去。