フランス映画の異才
マルセル・アヌーン監督「四季」シリーズ特別上映会
Les Saisons de Marcel Hanoun
2022年6月23日(木)―6月25日(土)(3日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
ジャン=リュック・ゴダールやジャン・ユスターシュに愛されたフランスの映画作家マルセル・アヌーン(1929―2012)の四季シリーズ『夏』『冬』『春』『秋』を一挙上映。「局地的」に高く評価される一方、ヌーヴェル・ヴァーグに代表される同時代のフランス映画の潮流と一線を画して創作活動を続けた異色の映画作家初の特集。
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。
6月23日(木)
15:40 | 『夏』(64分) |
17:10 | 『冬』(78分) |
19:00 | 『春』(78分) |
6月24日(金)
15:40 | 『秋』(75分) |
17:30 | 『夏』(64分) |
19:00 | 『冬』(78分) |
6月25日(土)
13:50 | 『春』(78分) |
15:40 | 『秋』(75分) |
17:00 | トーク「マルセル・アヌーンの足跡をたどる」 赤坂太輔(映画批評家)、須藤健太郎(映画批評家) |
■監督紹介
マルセル・アヌーン
Marcel Hanoun
1929年チュニジア生まれ、戦後パリに移住。写真家、ジャーナリストとして活躍した後、映画制作を始める。1969年には映画批評誌「シネティック」も創刊している。1958年の長編初監督作『簡単な話』はゴダールがロッセリーニやブレッソンを引き合いに絶賛。1960年から1964年にかけてスペインに長期滞在し、短編ドキュメンタリーの連作を制作。その成果として『マドリッドの10月』(1964)を発表した。1967年の『カール・エマニュエル・ユングの真の裁判』ではゴダールやジャン・ユスターシュが協力。1968年から1972年にかけて『夏』『冬』『春』『秋』の「四季」四部作を監督。ヌーヴェル・ヴァーグを始めとする同時代の映画の潮流とは距離を置いて独自の映画表現を切り拓き、2010年の『チェロ』まで半世紀に渡って70本にも及ぶ長短編映画を制作。「局地的に」高い評価を得ていた一方で、フランス国内でも知名度の低い不遇の作家となっている。晩年もデジタルビデオで作品を発表するなど2012年に亡くなるまで意欲的に新しい映画に挑み続けた異色の映画作家である。