ブラジルの過去と現在を往還する映像と音によるシンフォニー。夜明けの山並み、バイーアの祭りと海岸での歴史劇、リオのカーニヴァル・ダンス、政治状況の総括、ブラジリアの工事現場。人々のエネルギーが画面にみなぎる映像のパワー。映画の解体を先取りするかのようなこの試みは、むしろ反シンフォニーと呼ぶべきだろうか。「ブラジルの肖像の脇に置かれた私の肖像画」という言葉を遺したローシャの遺作。