郷里の渋民村での代用教員時代の石川啄木を主人公に、自由で進歩的な新しい教育を志すが、古い考えの校長や村の役員たちの反対にあい、ついに郷里の村を追われるというストーリー。監督の熊谷久虎は啄木と生徒たちの結びつきに力を注ぎ、そこからあふれ出る哀傷と激情は当時の観客の心を深く捉えた。村はずれの林の中から追われ去っていく啄木を、彼を慕う生徒たちが見送っていくラストシーンでは生徒たちの合唱がかぶさり、熊谷の抵抗精神と音楽的資質が賞賛された。また本作で主演した島耕二の俳優としての代表作でもある。