第一次ロシア革命二十周年記念映画として製作。日露戦争中の1905年に起きた戦艦ポチョムキンの水兵たちの反乱と、それに呼応したオデッサ市民の虐殺を描く。集団を主人公とし、モンタージュ技法を駆使したエイゼンシュテインの不滅の傑作。「オデッサの階段」の虐殺シーンは「映画史上、最も有名な6分間」とされる。
「マイゼル版」は、1926年のドイツ公開時にエトムント・マイゼルが作曲した楽譜が1980年代に発見されたため、その音楽を付けて、映画史家エンノ・パラタスの監修によって2005年に完成された最新復元版。
「クリューコフ版」は、助監督グレゴリー・アレクサンドロフが、ドイツから買い戻した検閲済プリントの冒頭と結末にナレーションを入れ、ニコライ・クリューコフの音楽を付し「サウンド版」として1950年に公開。
「ショスタコーヴィッチ版」は、映画史家ナウム・クレイマンが顧問となり、各国から集めたプリントを元に復元したオリジナルに近い「完全版」に、ショスタコーヴィッチの既存の交響曲を付けて、 1976年に公開。