ラスティ・メン(死のロデオ)

The Lusty Men 1952年(113分)

監督/ニコラス・レイ

プロデューサー/ジェリー・ウォルド ノーマン・クラスナ 原作/クロード・スタナッシュ 脚本/ホリス・マッコイ デヴィッド・ドートゥ 撮影/リー・ガームス 音楽/ロイ・ウェッブ

出演/ロバート・ミッチャム(ジェフ・マックラウド) スーザン・ヘイワード(ルイーズ・メリット) アーサー・ケネディ(ウェズ・メリット)

(あらすじ)
 ある大会で負傷し、引退した有名なロデオ乗りであるジェフ・マックラウドは、幼少の頃に育った家へとやってくる。現在はジェレミアと言う名の老人のものとなっているが、以前床下に隠していた宝物―ピストルと5セント玉2枚、そしてロデオのプログラムは、その時のまま、その場所にあった。そこへウェズ・メリットと、その妻ルイーズがやって来る。実はジェレミアはこの家と牧場を売りたがっており、夫婦は細々とした生活ではあったが、ここを買おうと思っていたのだった。大のロデオ・ファンであるウェズはジェフを見つけると家へと招待し、ジェフのために職を探してやる。
 ある日、かなりの金額が貯金から引き出されていることをルイーズから問われたウェズは、実は自分はかねてからロデオ乗りになりたいと思っており、ジェフに、自分がとった賞金の半分を払う条件で教えて貰うこと、その大金は連盟に参加するための金であることを告白する。夫にまっとうな道を歩んで欲しいルイーズは、ジェフになんとか辞めさせるよう説得を頼むが、結局、牧場を買うための金が貯まったらすぐにロデオを辞めるという条件で、渋々同意する。そして3人はロデオ大会に出場するため、トレーラーに乗って旅に出る。
 会場には多くのロデオ乗りやその妻たちが集まっており、ジェフは古顔デイビスとその娘ラスティに再会する。ルイーズの心配をよそに、はじめての大会で一番困難と言われている雄牛を乗りこなしたウェズは、たちまち有名になる。しかし欲に目が眩んだウェズは、その後も多くの大会に出て、名声と富を得ていくのだった。そんな彼の変貌にうろたえるルイーズに、ある大会の前夜祭で、ジェフは愛を告白する。しかし、ウェズのもとを去るように言うジェフに対し、ルイーズは、夫をまだ愛しており、逆に夫の目を覚まさして欲しいとジェフに頼むのであった。しかし2人がちょうどキスをしている所を、ウェズに目撃されてしまう。酔っぱらったウェズはジェフに自分の賞金を巻き上げ、その上妻を横取りしようとする臆病者だとなじる。
 次の日、同僚の反対を押し切り、ジェフは大会に参加する。ウェズに見せつけるためでも、賞金のためでもなく、自分自身のために。ちょうどその時トレーラーの中で、出て行く支度をしていたルイーズであったが、ラスティからその知らせを聞き、急いで会場へと駆けつける。素晴らしい腕前で、まだ健在のロデオ乗りであることを証明するジェフ。しかしその直後、あぶみに足を取られ、瀕死の重傷を負ってしまう。そしてついに、ルイーズの腕の中で、息を引き取って行く。
 ジェフの死によって、ウェズは自分の愚かさを思い知り、ロデオからきっぱりと足を洗って、ルイーズと共に新たなる生活のために、家へと戻る決意をするのであった。