ビガー・ザン・ライフ(黒の報酬)

Bigger than Life 1957年(95分)

監督/ニコラス・レイ

プロデューサー/ジェームズ・メイスン 原作/バートン・ルーシェ 脚本/シリル・ヒューム リチャード・メイボーン 撮影/ジョー・マクドナルド 音楽/デイヴィット・ラクシン

出演/ジェームズ・メイスン バーバラ・ラッシュ ウォルター・マッソー クリストファー・オルセン ロバート・サイモン

 教師のエド・アヴェリーは、苦しい生計のために、夜間、妻のルーと息子のリッチーに内緒でタクシー会社で働いていた。しかし、めまいを発症し、病院へ行くと、新開発のコルチゾンを投与しない限り、一年以内に死ぬと宣告される。その薬はひどい抑鬱状態を引き起こすと警告されるが、エドは直ちに常用し、健康状態も回復に向かっていく。
 しかし、鬱状態を逃れるため、いつしか規定された投薬量を越えて服用していくようになってしまう。エドの行動は唐突で横暴となり、特に、彼の立案した教育方法に理解を示さない妻や、彼の厳格な教育に対して効果を見せない息子に対して、残忍で暴力的な態度を示すようになる。
 ある日、彼はリッチーが薬を捨てようとしているのを見つける。エドは教会の説教で聞いたアブラハムとイサクの話に影響され、妻のルーに、もはや彼にとっては泥棒である息子を殺害し、その後一緒に自殺して欲しいと迫る。
 息子の部屋に向かうエドはめまいを起こし、そのすきにリッチーは逃げる。ルーはエドの同僚であるウォーリーに助けを求め、駆けつけたウォーリーはエドと格闘する。エドは押さえつけられる。
 エドは病院で深い鎮静状態となっていた。医者はルーに、彼は完全に精神に異常を来たしているが、コルチゾンの投薬を続けなければならないと話す。しかし、幸いにもエドは正気で目を覚まし、家族は和解するのだった。