(あらすじ)
世紀の変わり目を迎えようとしている新たなフロンティア、フロリダ。そこは、アオサギやシラサギ等の鳥類をはじめとする野生動物の宝庫であったが、人間たちの乱獲によりその自然も徐々にむしばまれつつあった。このような状態を憂えて自然保護を訴える者もいたが、それに反発する者のために既に2名の犠牲者を出していた。
そのフロリダへ高校の教師としてやった来たウォルター・マードックも、自然保護の熱い志を持っており、到着早々に思わずすれ違う女性がかぶる帽子の羽飾りをはぎ取って物議をかもす。その後、自然観察に出掛けた彼は、コットンマウスというハンターたちの首領格の男と会う。コットンマウスは、マードックが取りたちの声域を示す表示を出そうとしているのを尻目に、ハンターたちの乱獲を指揮する。
マードックは実質的に自然保護の監視員となる。彼は自然をよく知る現地人のビリーとあって彼の思いを訴え、ビリーはコットンマウスの一派に連れ去られ、リンチを受けてしまう。救いに駆けつけたマードックも、ビリーがつるされていた木の毒素のために強いダメージを受ける。
それからしばらくして、町は道路の開通を祝って華やいだ雰囲気につつまれていた。マードックも回復しており、下宿先の娘のナオミと楽しい時を過ごしていたが、それも束の間、鳥の羽で作られたマットレスを発見する。早速宇マードックは、折しも記念式典のために集まっていた町のお偉方にそのことを伝えるが、一向に動く気配を見せない。こうなった以上コットンマウスを連れてくることが急務と感じたマードックは、決死の思い出彼を中心としたハンターたちのすみかへ向かっていく。コットンマウスの方は、意外にも穏やかにマードックを迎える。それだけではなく、逃がさずに連れていく自信があるのなら同行しても良いと返答する。その晩は、酒を酌み交わして一同は大いに騒ぐ。
翌朝、前日の約束通りコットンマウスはマードックと共に出かけていく。すきを見せることの出来ぬマードックは、ボートの中でまんじりとも出来ずによを明かす。そのために疲れ切ったマードックはボートを押していくが、蛇を狙ってライフルを発射したのをコットンマウスに誤解されて、オールで激しく打ち据えられる。自分の誤りに気付いたコットンマウスはマードックと共にボートを押すことにする。その際に落とした帽子を拾おうとした彼は、手首を毒蛇にかまれてしまう。程なくコットンマウスは自分が君臨してきた自然の中で絶滅し、残されたマードックは一人ボートを進めていく。
このような人間の様子には気付かぬように、鳥の群が力強く羽ばたいていくのであった。