暗黒街の女

Party Girl 1958年(98分)

監督/ニコラス・レイ

プロデューサー/ジョー・パスターナク 原作/レオ・カッチャー 脚本/ジョージ・ウェルズ 撮影/ロバート・ブロンナー 音楽/ジェフ・アレキサンダー

出演/ロバート・テイラー(トミー・ファーレル) シド・チャリシー(ヴィッキー・ゲイ) リー・J・コッブ(リコ・アンジェロ) ジョン・アイアランド(ルイス・カネットー) ケント・スミス(ジェフリー・スチュワート)

(あらすじ)
 1930年代のシカゴ。ある夜、暗黒街のボス、リコ・アンジェロの盛大なパーティが催されていた。そこに来ていた踊り子ヴィッキー・ゲイは、リコの顧問弁護士であり片足の不自由なトミー・ファーレルに、家に送ってくれるよう頼む。ヴィッキーの部屋に入った二人は、ルームメイトの踊り子が自殺しているのを発見する。ショックを受けたヴィッキーをなぐさめるトミーは、彼女によい仕事を与えるようリコに頼む。ヴィッキーがトミーに礼を言いに来るが、金で自分の誇りを売っているとトミーはヴィッキーを冷たくあしらう。
 一方、リコの子分ルイの公判で、トミーは自分の足の不自由さを強調して同情を引き、裁判に勝つ。そんな彼に対し、ヴィッキーは自分と同じように誇りを金で売っていると責める。次第に二人は互いに心引かれあってゆく。二人で人生をやり直そうと決意したトミーは、足を手術するため、ストックホルムへと立つ。ヴィッキーは手術の成功を祈りながら、ダンサーとして次第に名声を得ていく。ある日、ヴィッキーのもとへ、トミーの妻が訪ねてくる。嫉妬心に燃える妻は、夫と離婚しないと言い放つ。しかしその時、トミーからヴィッキーのもとへ、こちらに来て欲しいとの電報が届く。手術が成功したのだ。ストックホルムへと直行したヴィッキーは、トミーと再会し、二人は楽しい日々を送る。
 しかし、リコから電話が入り、二人は直ちにシカゴへと帰っていく。リコの新しい相棒、クッキーが殺人を犯し、政府はそれを糸口として、ギャングの一掃を計画したのだった。リコの頼みを断り、足を洗うことを伝えるトミーに対し、リコはヴィッキーに暴力を加えると言って脅す。トミーはしぶしぶ弁護を引き受けるが、自らの危険を感じたリコはクッキーを射殺してしまう。それを引き金にギャング闘争が勃発する。トミーは重要参考人として逮捕される。ジェフリー検事は命の保障と引換えに、政府側に付くようにトミーを説得する、トミーはヴィッキーのために最初は政府への協力を拒否していたが、彼女自身の説得を受け、また、妻が離婚を承諾したことを知り、ヴィッキーの保護を条件として一切を告白する。しかし、トミーは裏切り者としてリコに呼び出されてしまう。リコの隠れ家を察知したトミーは、警察にメモを残し、単独で乗り込んでいく。そこにはヴィッキーが捕らえられていた。彼女の顔に硫酸をかけようとするリコの対し、トミーは得意の弁舌をふるい、警察が到着するまでの時間を稼ぐ。そして、警察の発砲の中、二人に硫酸をかけようとしたリコは、過って自ら硫酸をかぶり、窓から転落してしまう。助け出された二人は、新しい人生に向かって、その場を後にするのだった。