サイバネティック未来研究所では、未来社会を厳密に予測できるシミュラクロン1の開発が進められていた。だがある日研究主任のフォルマー教授が謎の死を遂げ、後任のシュティラー博士も研究所で奇妙な事態に遭遇する。パーティーで出会った保安課長ラウゼがその後忽然と姿を消し、しかも実際の保安課長は別人物だというのだ。やがてシュティラー自らシミュラクロンによって仮想世界にトリップする実験を行う。コンピューターの構築した虚構空間は現実そっくりだがあちこちに欠落を含んでいた。そこでシュティラーは他ならぬラウゼの姿を発見する。果たして彼は精神錯乱を起こしているのか、それとも彼らの生きる世界には秘密があるのか……。