1935年12月8日、フォアポンメルンのノッセンドルフに生まれる。52年から53年にかけて、ブレヒトの劇場であるベルリナー・アンサンブルの舞台を撮影した最初の8ミリ作品を制作。53年、西ドイツに移り、56年からミュンヘンで文学と芸術史を学ぶ。デュレンマットの不条理性に関する論文で博士号を取得。65年に最初の長編ドキュメンタリー『フリッツ・コイトナー、シラーの「たくらみと恋」を稽古する』、68年に初の長編劇映画『人間はどれだけの土地が必要か』を監督。72年の『ルートヴィヒII世のためのレクイエム』にはじまる「ドイツ三部作」では、戦後ドイツの歴史意識に挑戦するような耽美的世界としてのナチズムとドイツの関係を描き出し、ドイツ国内では激しい議論を呼んだ。爾来ジーバーベルクはドイツでは完全なアウトサイダーであり続けている。一方アメリカやフランスなど国外での評価は高く、「ブレヒトの叙事演劇とヴァーグナーの音楽美学の映画的な結合」(ジーバーベルク)を試みたその作品群は、映画界だけでなく、スーザン・ソンタグやジル・ドゥルーズといった知識人に至るまで広く影響を与えている。
ルートヴィヒII世のためのレクイエム Ludwig- Requiem für einen jungfräulichen König 1972
カール・マイ Karl May 1974
ヒトラー、あるいはドイツ映画 Hitler- ein Film aus Deutschland 1977