ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス
Nelson Pereira dos Santos


1928年、サン・パウロ州北部に生まれる。サン・パウロ法科大学に学び、弁護士、ジャーナリスト、映画評論家、助監督を経て、リオのスラムを舞台にした「リオ40度」(1956)で長篇監督デビューを飾る。この映画は後に、新しいブラジル映画(シネマ・ノーヴォ)の先駆的作品とみなされるようになった。64年、長年の念願だったグラシリアーノ・ラモス原作「乾いた人生」の映画化を実現。グラウベル・ローシャの「黒い神と白い悪魔」とともに、シネマ・ノーヴォを代表する作品として国際的な評価を得る。軍事政権下、政治的寓話に満ちた作品を通して表現に磨きをかけ、政治開放が始まった74年以降は民衆の精神世界に踏み込む新たな大衆映画を模索するなか、「オグンのお守り」(1975)「奇蹟の家」(1977)「監獄の記憶」(1984)などを発表。自主的な映画上映網を組織するとともに、長年大学で後進の指導にあたるなど、つねに時代情況に加担しながら製作と運動を続けてきた、気骨の映画作家である。


過去の上映作品

リオ40度 Rio, 40 Graus 1956
乾いた人生 Vidas Secas 1963
オグンのお守り O Amuleto de Ogum 1975
奇蹟の家 Tenda dos Milagres 1977
人生の道〜ミリオナリオとジョゼ・リコ Estrada da Vida- Milionario e Jose Rico 1981
監獄の記憶 Memórias do Cárcere 1981
第三の岸辺 A Terceira Margem do Rio 1994
主人の館と奴隷小屋 Casa-Grande e Senzala 2001