オリヴェイラによる「挫折した愛」4部作の最初の作品。亡き夫リカルドへの愛を募らせる妻ヴァンダに耐えかねて新しい夫フィルミーノが自殺する。するとリカルドの双子の弟ダニエルが現れて、自分こそが本当のリカルドで、死んだのは弟の方だと告白する。しかしヴァンダは「生き返った」リカルドを前にすると、今度は死んだフィルミーノへの愛を募らせていく。「『過去と現在』について今言えることは、62歳にして最も若いポルトガル映画監督が、彼の最高にして最も知的な映画を作ったということ以外にない」(ジョアン・セーザル・モンテイロ)