アラブ圏で初めてノーベル賞を受賞した作家ナギーブ・マハフーズの代表的作品である「三部作」の第1作の映画化。マハフーズは、カイロの下町に住む富裕な商人の一家三代を通して、今世紀前半のエジプトの現代史を描こうとした。第1作は、第一次大戦下のエジプトの反英独立闘争の高まりと、22年のエジプト独立への道を開いた19年革命を描いている。題名は「二つの宮殿の間に」という意味を持つ主人公一家が住む通りの名で、10世紀後半にカイロの町が建設された当時のメインストリートであり、往時建築物がいまも残る世界遺産的通りである。
監督のハサン・イマームは、40年代末から80年代後半にかけて90本近くの映画を監督した大衆娯楽映画の大監督であり、主演のヤハヤー・シャーヒーンは、40年代始めから80年代前半にかけて80本以上の映画に出演しているが、円熟期に得たこの三部作の主人公役でもっともよく知られている。