Im Apparat 現代ドイツ映画作家シリーズ
イェルン・グラーゼナプ教授 ヴィム・ヴェンダースを語る

2025年4月14日(月)
会場:アテネ・フランセ文化センター

ニュー・ジャーマン・シネマの代表的な映画作家であり、長編1作『都市の夏』(1970)から日本を舞台にした『PERFECT DAYS』(2023)まで相次いで問題作を発表してきたヴィム・ヴェンダース。
世界的にも高い評価を受けるなど、一貫してドイツの「現代映画」を支える同監督について、研究者であるイェルン・グラーゼナプ教授による特別講義を開講します。

■上映スケジュール
※チケットは当日の16:30から販売します。

4月14日(月)

17:00 『ベルリン・天使の詩 4Kレストア版』(128分)
19:20 特別講義
講師:イェルン・グラーゼナプ教授
司会:アンドレアス・ベッカー(慶應義塾大学准教授)
進行・通訳:渋谷哲也(ドイツ映画研究者、日本大学文理学部教授)

■上映作品

ベルリン天使の詩
©Wim Wenders Stiftung
– Argos Films

ベルリン天使の詩
Der Himmel über Berlin / Wings of Desire


1987年/128分/Blu-ray/日本語字幕
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ ソルヴェーグ・ドマルタン オットー・ザンダー クルト・ボウワ ピーター・フォーク

1980年代のベルリン。西側は壁に囲まれている。静かに人々を見守っている天使ダミエルの姿。天使は人の内心の声を聞けるが人に触れることはできない。子供だけには天使の姿が見える。映画はベルリンの様々な歴史と日常のエピソードを天使に絡めて辿ってゆく。映画スター、ピーター・フォークがベルリンでナチス絡みの映画を撮影しにやって来る。国立図書館には天使たちが集い、また老詩人ホメロス(クルト・ボワ)は過去の物語を探している。サーカスの空中ブランコ乗りのマリオンは人生に行き詰まりを感じている。
ダミエルはマリオンに魅かれ、彼女に触れたいと熱望する。ベルリンの壁の間の緩衝地帯でダミエルは天使の鎧を脱ぎ、人間となってマリオンを探し街を彷徨する。映画では天使の知覚はモノクロ、人間の知覚はカラーで表現され、ベルリンの街の佇まいを美しく捉えている。


■監督紹介

ヴィム・ヴェンダース
©Peter Lindbergh

ヴィム・ヴェンダース
Wim Wenders


1945年ドイツ・デュッセルドルフに生まれる。1967年ミュンヘン映画大学に一期生として入学し、映画批評家の活動も始める。70年に卒業制作『都市の夏』を発表。その後独立した映画監督となる。『都会のアリス』(74)、『まわり道』(75)、『さすらい』(76)3部作でジャンルとしてのロードムービーを確立。『アメリカの友人』(77)の後フランシス・フォード・コッポラ監督より米国に招聘され、『ハメット』(82)を監督する。だがハリウッドの方式やコッポラの意向と合わず、不本意な形で映画を完成する。その後自身のスタイルを貫いた『パリ、テキサス』(84)はカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得、その後ドイツ帰国後に製作した『ベルリン・天使の詩』(87)よりユニークな作家性の映画を発表し続けている。
ヴェンダースの活動はジャンルや国を越えて多様に展開され、とりわけドキュメンタリーの名作が多い。『東京画』(85)『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)、『Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(11)、『セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター』(14/ジュリアーノ・リベイロ・サルガドと共同監督)など。また近作『PERFECT DAYS』(23)はいわばベルリンの天使の東京版とも呼べるもので、日本で大ヒットを記録した。


■講師紹介

③	ヴィム・ヴェンダース

イェルン・グラーゼナプ教授
Jörn Glasenapp (Prof. Dr.)


ゲッティンゲン大学でドイツ語・文学、アメリカ文学、英語・文学を学ぶ。1999年博士号を取得。2006年大学教授資格を獲得。2010年よりバンベルク大学にて文学・メディア学の教鞭を取る。現在の主要研究テーマは、映画とポップミュージック分野。近著として『ファスビンダー以降:1980年代のドイツ連邦共和国映画の再検証』(ドイツ語)(編著、2024)。

Studium der Germanistik, Amerikanistik und Anglistik in Göttingen; 1999 Promotion; 2006 Habilitation; seit 2010 Inhaber des Lehrstuhls für Literatur und Medien an der Otto-Friedrich-Universität Bamberg. Aktuelle Arbeits- und Forschungsschwerpunkte:
Film und Popmusikkulturen.


■当日券のみ/先着順
■自由席

■料金

一般=1500円
学生/シニア=1300円
アテネ・フランセ文化センター会員=1000円

■お問い合わせ・会場

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339(13:00-20:00)
infor@athenee.net

■企画立案

アンドレアス・ベッカー(慶應義塾大学准教授)

■主催

アテネ・フランセ文化センター


映画美学校

■協力

慶應義塾大学文学部ドイツ文学科
渋谷哲也(ドイツ映画研究者、日本大学文理学部教授)
東北新社

Im Apparat