タイ初の35ミリの長篇カラー映画のデジタル修復版。父親と同居している盲目のやさしい少年サンティと、潑溂とした少女ウィーナー。障害に負けないようにとサンティは高名な僧侶の元へ預けられる。やがて成長し二人は恋人同士となるが、ウィーナーに恋心を抱くライバルが出現する。
Film Archive (Public Organization), Thailand
エドガルド・M・レイエスのタガログ語小説「光る爪」を映画化。マニラで失踪した恋人を探して彷徨う青年フーリオが、絶望の淵へと追いつめられるまでを描く。フィリピンの名匠ブロッカの名を世に知らしめた作品。デジタル修復版を新字幕で日本初上映。
裕福な家庭に生まれたポニラーは、相次ぐ家族の不幸が原因で父親から疎まれ、メイドの制止を振り切って都会へと身を移すが、そこでの生活も決して容易いものではなかった。俳優として一世を風靡したスラメット・ラハルジョ・ジャロットが、監督としての名声を獲得した記念碑的作品。
プリント提供:福岡市総合図書館
1969年に若くして命を落とした、政治運動家でジャーナリストでもある中華系インドネシア人スー・ホッ・ギーの生涯を、彼の手記と監督自らによる調査を元に描き出した大作。スカルノからスハルトへと政権が移行する激動の時代と、理想に燃えた一人の若者の実像。当時としては珍しく虐殺事件や華人を映し話題となった。
プリント提供:福岡市総合図書館
『ローサは密告された』(2016)が話題となったメンドーサの最初期の作品。舞台はマニラのスラム、選挙中の聖週間。守るつもりもない弱者救済政策を掲げ得票を企む政治家とは対照的に、貧困街ではスリも麻薬密売も万引きも横行する。逞しき人々の姿を圧倒的な臨場感で描く、第57回ベルリン国際映画祭カリガリ賞受賞作。
上映素材提供:福岡市総合図書館
アジアン・フィルム・アーカイヴ創立10周年を機に、東南アジア・インディペンデント映画の強さと多様性を謳うべく作られたオムニバス映画。シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、カンボジア、ベトナムの10人の監督が参加。
【東南アジア短篇傑作選】
『孤島の葬列』(2015)で第28回東京国際映画祭「アジアの未来」作品賞を受賞したピムパカー・トーウィラの短篇作品。娘の葬式を舞台に、彼女の死を受け入れられない母親の悲哀を静かに見つめる。
初長篇作『ポップ・アイ』(2017)が好評を博したカーステン・タン。2012年にあった実話を元に、シンガポールの老女とロヒンギャ難民の少女の交流を描く。
数々の短篇を制作し、多くの映画祭で上映されてきたインドネシア期待の監督。出身階級の異なる2人の売春婦と1人の男をめぐる三角関係。力強く生き抜く女たちの姿を鮮やかに描き出す。
ファン・ダン・ジーの愛弟子にしてベトナム映画界の新鋭。都市風景と人間模様を活写した本作は、ベルリンほか各国の映画祭で注目された。タレンツ・トーキョー2017参加者。
閉店間際のガソリンスタンド。真面目な労働者である主人公が抱える社会への不満が、彼女を恐ろしい行動に駆り立ててゆく。カンヌ国際映画祭批評家週間で上映された話題作。