MoMA ニューヨーク近代美術館フィルムコレクション東京最終上映
アメリカ映画の光と影―グリフィスからウォーホルまでー
2016年2月23日(火)-2月27日(土)(5日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
MoMAの通称で知られる「ニューヨーク近代美術館」。
その映画部門は、イギリス生まれの映画評論家アイリス・バリーの献身的な努力により、1929年の美術館設立の6年後、1935年に誕生しました。それから80年、MoMAは膨大なコレクションと野心的な上映プログラムで、常に世界のフィルム・アーカイブ活動をリードし続けてきました。今回の企画では、映画草創期1905年に撮られた『ニューヨークの地下鉄』から、D・W・グリフィスやマック・セネットの短篇、ウォルト・ディズニー自身がつくった貴重なアニメーション、ジョン・ウェインの初主演作に1950年代ハリウッドの黄金時代を彩る作品、アフリカン・アメリカンによる伝説的なインディペンデント映画やMoMAの象徴・ウォーホルの映画、若き日のマーティン・スコセッシ監督が自身の両親を撮った貴重なドキュメンタリーまで、多様で魅力的な作品群を美しいヴィンテージ・プリントでご覧いただきます。
【お詫びと訂正】
ウェブの告知におきまして、12月26日(金)の情報に誤りが含まれておりましたので、訂正のご案内をさせていただきます。上映会へご参加の際には、下記の情報をご参照くださいますようお願い申し上げる次第です。
2月26日(金)
17:15-『フラッシング・メドウズ』『スウィート・スウィートバック』(計106分)
19:30-『スクリーンテスト』『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』(計82分)
--そこにわれわれが感じるのは、目くるめく映画の自由である。映画にも古典はあるが、一世紀ほどの間に選ばれた古典はいつも古典でないものによって照らし直され、改めて時の試練(テスト・オブ・タイム)に耐えて行くことになる。MoMAは突然に姿を現す輝ける非=古典を見逃さず、上映し、保存し、古典の定義そのものを揺さぶってきた。
「フィルムの夢、映画の自由――MoMAコレクションの上映を考える――」
岡島尚志(東京国立近代美術館フィルムセンター主幹)
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。チケットの番号順での入場になります。
2月23日(火)
15:30 | 『ビッグ・トレイル』(122分) |
17:40 | レクチャー1:岡島尚志 |
19:00 | 『ツーリスト』『暗黒の恐怖』 (計102分) |
2月24日(水)
16:00 | 『ニューヨークの地下鉄』『バンド・ワゴン』(計116分) |
18:00 | レクチャー2:平野共余子(元ニューヨーク・ジャパン・ソサエティ映画部門プログラムディレクター) |
19:20 | 『ニューマン劇場のお笑い漫画』『悲しみよこんにちは』(計97分) |
2月25日(木)
17:40 | 《アンディ・ウォーホル プログラム》 『スクリーンテスト』『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』 (計82分) |
19:30 | 『女の叫び』『男の友情』『イタリアン・アメリカン』(計78分) |
2月26日(金)
17:15 | 『フラッシング・メドウズ』『スウィート・スウィートバック』(計106分) |
19:30 |
《アンディ・ウォーホル プログラム》 『スクリーンテスト』『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』(計82分) |
2月27日(土)
13:30 | 『悲しみよこんにちは』(94分) |
15:10 | レクチャー3: 松井宏(映画批評家・プロデューサー)+三宅唱(映画監督) |
16:40 | 『バンド・ワゴン』(95分) |
19:00 | 『イタリアン・アメリカン』(48分) |
■講師紹介
レクチャー1 2月23日[火]17:40-18:30
「MoMAフィルムコレクションの魅力」
岡島尚志(東京国立近代美術館フィルムセンター主幹)
1979年よりフィルムセンターの上映、保存、調査、出版、国際交流事業、各種イベントの企画・運営に携わる。代表的なキュレーション番組に「ラオール・ウォルシュとその時代」、「知られざるアメリカ映画」、「ハワード・ホークス映画祭」等。2005年より現職。2009年~2010年、国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)会長をつとめる。
レクチャー2 2月24日[水]18:10-19:00
「私のMoMA ー キューレターたちから見る映画上映の巨峰」
平野共余子(元ニューヨーク・ジャパン・ソサエティ映画部門プログラムディレクター)
フルブライト奨学生としてニューヨーク大学大学院映画研究科に留学。1986年~2004年ニューヨーク・ジャパン・ソサエティーの日本映画上映プログラムを担当。1998年『天皇と接吻―アメリカ占領下の日本映画検閲』(草思社)で川喜多賞、日本映画ペンクラブ賞を受賞。その他の主著に『マンハッタンのKUROSAWA- 英語の字幕はありますか?』(06)がある。
レクチャー3(対談) 2月27日[土]15:10-16:10
「プレミンジャーから考えよう」
松井宏(映画批評家・プロデューサー)
1980年愛知県生まれ。プロデューサー、映画批評、翻訳。雑誌「nobody」元編集委員。映画『Playback』(12)『THE COCKPIT』(14/ともに三宅唱監督)、『5 windows eb/is』(15/瀬田なつき監督)などのプロデューサーを務める。訳書に『モンテ・ヘルマン語る~悪魔を憐れむ詩』など。
三宅唱(映画監督)
1984年札幌生まれ。映画監督。映画美学校フィクションコース初等科修了。初長編『やくたたず』(10)ののち、劇場公開第1作『Playback』(12)を監督。同作はロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品され、高崎映画祭新進監督グランプリ、日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。監督最新作『THE COCKPIT』(14)は国際ドキュメンタリー映画祭シネマ・デュ・レエル新人監督部門に正式出品された。ほかに『無言日記/201466』(14/boidマガジンにて連載中)など。共著に『森﨑東党宣言!』(インスクリプト)。雑誌「POPEYE」にて映画評「IN THE PLACE TO C」を連載中。
Fシネマ・プロジェクト
100年をこえる映画の歴史の中で、デジタル化された作品はごくわずかにすぎません。フィルムでの上映環境を保持しつづけるために、調査を行い、関係者のネットワークを構築し、フィルムの知識や情報を共有し、さらに、フィルムの魅力を伝えるための具体的な企画を実施する、それがコミュニティシネマセンターの「Fシネマ・プロジェクト」です。「MoMA ニューヨーク近代美術館映画コレクション」も、Fシネマプロジェクトの一環として実施しています。