クリス・マルケル監督作品『レベル5』
日本語字幕版特別上映

2018年3月30日(金)・31日(土)(2日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター

幾多の傑作を送り出してきた映像作家、クリス・マルケル。記憶と歴史への鋭いまなざしを向け、抵抗する人々を鮮明に捉えた彼は、国境やメディアなど、あらゆる境界を軽やかに越えて制作を続けた。
今回は、マルケルの代表作であるにもかかわらず、日本では限られた形でしか紹介されていない『レベル5』(1996年)に、新たな日本語字幕を付けて国内4都市(東京、名古屋、京都、神戸)にて特別上映。

上映に向けてのメッセージ
『レベル5』で主演を務めたカトリーヌ・ベルコジャさんより日本語でメッセージをいただきました。
https://youtu.be/RyxSlYKZb3g

■スケジュール

3月30日(金)

18:00 レクチャー
東志保(映画研究者/『クリス・マルケル遊動と闘争のシネアスト』共編者)
19:00 上映『レベル5』(106分)

3月31日(土)

14:00 上映『レベル5』(106分)
16:00 シンポジウム
金子遊(『インペリアル 戦争のつくり方』監督/批評家)
渡辺真也(『Soul Odyssey―ユーラシアを探して』監督/キュレーター)
越後谷卓司(愛知県美術館主任学芸員)
18:00 上映『レベル5』(106分)

■上映作品

レベル5

レベル5
Level 5
(フランス/1996/105分/DVD上映)日本語字幕

監督・撮影:クリス・マルケル
音楽:ミッシェル・クラスナ
出演:カトリーヌ・ベルコジャ、大島渚ほか
製作:アナトール・ドーマン、フランソワーズ・ヴィドフ
製作会社:レ・フィルム・ド・ラストロフォール、アルゴス・フィルム、ラ・セット・シネマ

沖縄戦の記憶の分有をテーマにした、フィクションを交えたドキュメンタリー。ローラは亡き夫が残したコンピュータプログラムの中で最も難易度の高い「レベル5」のゲームを解く。渡嘉敷島の集団自決を体験した金城重明牧師の証言やサイパン島の岬から身を投げる記録フィルム、そして30年間も上映が禁止されたジョン・ヒューストン監督の『そこに光を』の中の沖縄戦で記憶を消失した兵士の映像などがモニター上で開封される。

■監督紹介

クリス・マルケル
Chris Marker


1921 年生まれ。戦時中は反独レジスタンス活動に身を投ずる。1950年前後からドキュメンタリー映画に関わり、アラン・レネとの共同監督『彫像もまた死す』(1953)や、『北京の日曜日』(1956)などで頭角を現す。全編スチール写真で構成したSF短編『ラ・ジュテ』(1962)はカルト的傑作に。旅する映画作家として知られ、日本を題材にした作品も『不思議なクミコ』(1965)『サン・ソレイユ』(1982)『AK』(1985)、そして本作と多数。また近年では、『アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ』(1993)などビデオ作品も多く手がけ、本作も撮影は主にビデオである。コンピュータ・メディアやテレビ・ゲームにも強い関心を持ち、映画百年を記念するマルチメディア・インスタレーション『サイレント・ムーヴィ』(1995)や、人間と世界それぞれの“記憶”をテーマにしたCD-ROM作品『Immemory(イメモリー)』(1998)など、2012年に91歳で亡くなるまで、新メディアを使って旺盛に制作を続けた。


■料金
一般=1500円
シニア・学生=1200円
アテネ・フランセ文化センター会員=1000円

※シンポジウムは今回の上映会の半券をお持ちの方はご参加になれます。

■会場・お問い合せ

アテネ・フランセ文化センター
千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催

アテネ・フランセ文化センター

■協力

愛知県美術館
アルゴス・フィルム Argos Films
クリス・マルケルファンクラブ