ロマの世界を描く
映画作家トニー・ガトリフ Tony Gatlif の世界

2024年8月17日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

アルジェリア出身のフランスの映画監督トニー・ガトリフ。
ロマの世界を描き続ける異色の映画作家をロマ研究の言語学者が言語と音楽の両面から解読する映画講座。

ロマの映画監督の代名詞であるトニー・ガトリフの『ガッジョ・ディーロ』は、『ラッチョ・ドローム』に続いて有名な映画です。長年ルーマニアのロマのコミュニティーで言語学のフィールドワーク研究を行っている日本人の私は主人公の青年に自らを重ねることなしにこの映画を観ることができません。正真正銘の「ガッジョ・ディーロ(気のふれたよそ者)」として、この映画を通してロマの世界を内側から紹介したいと思います。

角悠介(言語学者、『ロマニ・コード 謎の民族ロマをめぐる冒険』著者)

■スケジュール
※チケットは16:30から販売します。

8月17日(土)

17:00 『ガッジョ・ディーロ』(100分)
18:45 講演「トニー・ガトリフとロマの世界」
講師:角悠介(言語学者、『ロマニ・コード 謎の民族ロマをめぐる冒険』著者)

■上映作品

ガッジョ・ディーロ
©Princes Films 1997

ガッジョ・ディーロ
GADJO DILO

1998年/100分/DCP/日本語字幕
監督・脚本・音楽:トニー・ガトリフ
撮影:エリック・ギシャール
編集:モニック・ダルトンヌ
美術:ブリジット・ブラッサール
出演:ロマン・デュリス ローナ・ハートナー イジドール・サーバン

フランス・ルーマニアの合作。タイトルはロマの言語ロマニ語で「気のふれたよそ者」を意味する。亡くなった父親が聞いていたロマの女性歌手を探しに単独でルーマニアにやってきた変わり者のフランス人青年がひょんなことからロマの村に居候しはじめるが、フランス語を少し話す女性サビナ以外との意思疎通がままならない。最初は青年を馬鹿にしていた村人たちであったが、ロマの音楽への愛情を示す彼に少しずつ心を開いていく。そんな中、事件が起こる…。音楽監督もトニー・ガトリフがつとめ、ロカルノ国際映画祭で銀豹賞を受賞。

■監督紹介

トニー・ガトリフ

トニー・ガトリフ
Tony Gatlif


1948年アルジェリア生まれ。母親はアンダルシアのロマ(=ジプシー)であり、幼いころからロマのコミュニティーでロマ音楽を聴きながら育つ。1975年に初監督作品『ラ・テット・オン・ルイヌ』を製作。1981年の『Corre gitano』を皮切りにロマをテーマにした映画を複数制作。映画制作を通して自らの血筋を見つめる。『愛より強い旅』(2004)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。2006年の『トランシルヴァニア』はカンヌ国際映画祭のクロージング作品に選ばれている。インドから西欧まで音楽を通してロマ民族の放浪の歴史をたどる『ラッチョ・ドローム』(1993)も評価が高く、同作品もカンヌ国際映画祭で上映された。



■当日券のみ/先着順
■自由席
■入れ替えなし

■料金
一般=1500円
シニア・学生=1200円
アテネ・フランセ文化センター会員=1000円

■お問い合わせ・会場

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339(13:00-20:00)

■主催

アテネ・フランセ文化センター

■共催

映画美学校