第一部
性転換した娼婦エルヴィラは、恋人が外泊を繰り返す寂しさから、自暴自棄になり街をあてもなく彷徨う。愛人だったアルミン・マイヤーの死をうけ、ファスビンダーが監督・脚本のみならず、撮影まで手がけた異色作。
ロシアからの亡命者へルマンは、実際には似ていないフェリックスを自分と瓜二つだと思い込み、ある計画を持ちかける。ナボコフの原作、ダーク・ボガードら世界的スターの起用によって国際舞台への飛躍を賭けた意欲作。
テロリストをテーマとした挑発的なコメディ。革命的な理念をもたず、ただ目先のスリルだけを追い求めている第三世代のテロリストたち。彼らは企業と警察に利用され、その煽動にのって誘拐事件を起こす。
1981年の国際舞台芸術フェスティバル、テアター・デア・ヴェルトについての14章からなるドキュメンタリー。ファスビンダーによるアルトーの『演劇とその分身』の朗読とともに、フェスティバル参加者の姿が映し出される。
第二部
マルタは、父親の死後、イタリアで見かけたヘルムートとドイツで偶然再会し、結婚する。マルタはよき妻として夫ヘルムートの抑圧に従うが、ヘルムートは要求を徐々にエスカレートさせていく。
© STUDIOCANAL GMBH - WDR – Rainer Werner Fassbinder Foundation
衝動的な殺人を犯した男が、自らの半生を精神科医に語る。両親の愛情を感じられずに少年時代を過ごした彼は、結婚後、妻の愛を失うことを恐れるがあまり、無理な借金を重ね、次第に窮地へ追いつめられていく。
初老の未亡人女性が、若いモロッコ人出稼ぎ労働者と恋に落ちる。二人に降りかかる試練を通じて、痛ましくも優しい愛の風景が浮かび上がる。ダグラス・サーク『天の許し給うものすべて』(55)のリメイクとされる作品。。
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ファスビンダーの友人だったトムセン監督が、70年代に撮ったファスビンダーのインタビューと、彼の死後に記録した母親のリロ・ペンパイトのインタビューを下敷きに、新たに撮影した素材を追加し編集したドキュメンタリー。