日本軍が統治する中国の町で、あるとき突然に軍楽隊を作ることになった。そこへお下げ髪の美少女が現われて、カタコトの日本語で協力を申し出る。彼女は民謡を歌い終えると恥ずかしそうに高粱畑を一目散に駆け抜けてゆく。音楽好きのマキノ監督が戦時中に撮ったこの作品は、陳凱歌の「黄色い大地」と比較すると、たいそう面白い。