パヴロは「じいさん」から、宝の山ズヴェニゴーラの伝説を聞きながら育ち、一攫千金を夢見る山師となり、ウクライナの反革命工作に金を出す。もう一人の息子チモシュは第一次世界大戦で従軍し、革命運動に身を投じる。「じいさん」と二人の息子との物語を軸としつつ、ウクライナ千年の歴史を縦断し、おとぎ話から抒情詩、叙事詩、歴史、記録、諷刺まで幅広いジャンル、スタイルを横断する、ドヴジェンコの存在を知らしめた怪作。あまりの怪作ぶりに検閲にあたったウクライナの映画官僚は判断が下せず、エイゼンシュテイン、プドフキンらにおうかがいを立てた。二人はこの作品を高く評価し、ドヴジェンコはソ連を代表する監督の列に加わることになった。