心の病を抱えた女性教師とその夫との愛情が、彼女に思いを寄せる教え子の女子高生との三角関係において見直されていく、前作『愛する』の姉妹篇ともいうべき作品。前作とは異なり、同時代的な意匠をすすんで取り込み、その最大限に自由な解釈でもって描き出される世界は、次第に劇的な形をとるにつれて切迫感を強めていく。