前作『怒号篇』に続く完結篇。閑職に追いやられた主人公は、巻き返しを図り大阪に赴く。そこで知人に紹介された会社は社長派と専務派が会社の実権をめぐり争っていた。渦巻く駆け引きと陰謀。鈴木英夫が繰り返し描いてきた《組織と個》の闘争の味はいつも苦々しい。