日本人を救うためにみずからを犠牲にした、純情可憐な台湾の少数民族の少女サヨン。その美しき物語は植民地台湾でつとに喧伝され、絵画に描かれ、皇民化政策にお手本とされてきた。台湾に満映時代の李香蘭を迎えて撮られたこのフィルムは、興味深い歴史の証言であるとともに、18才の彼女の光輝く魅力を伝えている。