生前に残されていた中上健次の撮影した16ミリフィルム。それはいずれ目の前から消えていくだろう「路地」が映されているものであった。もはや現実にはないだろうその「路地」を巡っての旅が始まる。「岬」「枯木灘」「千年の愉楽」など6作が朗読され、大友良英、坂本龍一らの音楽が重なるうち、新たな「路地」が浮かび上がる。