ジョナス・メカスの50年代のニューヨーク移住、25年ぶりの故国への帰郷、ウィーンでの友人たちとの交歓が三部構成で語られる。日記映画というスタイルを<時代の記憶>にまで高めたメカスの最高傑作。故郷を失ったあらゆる人の心の琴線に、私的小宇宙の感傷にのみ惑溺しようとした亡命詩人の魂の声が届けられるに違いない。