1981年に、ハイファ郊外のパレスチナ人とユダヤ人がよりそって暮らす涸れ谷(ワディ)を撮り始めたアモス・ギタイ。その後10年おきに、同じ場所を訪ね、同じ人々を撮影する。世界の大きな流れは、牧歌的に見えた彼らの人間関係にも微妙な影を落とさずにはおかない。映画はデリケートな友愛に支えられたコミュニティと個人の歴史の変遷を、静謐な眼差しで見つめ続ける。