清水の酒屋を切り盛りする未亡人(高峰秀子)と東京の会社を辞めて帰郷した亡夫の弟(加山雄三)が、大規模小売店の進出で困窮する店を再建しようとするが……。時代の変遷の中での商店経営という成瀬的主題を背景としつつ、許されざる恋愛が、巧みな視線の交錯劇を経て、温泉場での終幕へと加速する。