夫を交通事故で失った妻(司葉子)が、加害者の会社員(加山雄三)と逢瀬を重ねる内に愛が芽生える……。山田信夫のオリジナル脚本。哀感迫る武満徹の音楽も秀逸。十和田湖畔の俄雨の冷たさ、病床の加山と司の手が触れ合う一瞬のときめき。逡巡する二人の行く末をただ凝視するほかない成瀬の遺作。