土本典昭お別れの会の壇上に立った大津幸四郎は、故人との日々を訥々と語り始める。かつての映像に残る土本の声と、その不在を覆うように語り尽くす大津の声とが画面上に交差する。ふたりの言葉は、やがて水俣病の胎児性患者をどう撮るべきかという地点で烈しく緊張し、その共闘のまなざしの深さを明らかにしてゆく。山形国際ドキュメンタリ−映画祭2011クロージング上映作品。