(あらすじ)
男に付き添われた老婆がベランダから孫のイヴァンに手をふる。母親に連れられたイヴァンは彼女と別居中の父親ヴィセンテの家に引き取られていく途中で、壁に書かれた「グロリア」という文字に気付く。父親は家が火事にあった後で、手に包帯を巻いている。翌朝、イヴァンは川で男の子たちにいじめられている少女を見かける。その少女はグロリアという名で、イヴァンの父の弟マウロが刑務所から出てきたのを知り、会いに来たのだった。グロリアは火事の前に父に向かって酔って叫んでいたマウロを見かけたと言う。父はマウロを泥棒だと非難する。
イヴァンはグロリアに会いに行く。その家の女性はフランスに出稼ぎに行った両親のかわりに子供達を育てているのだと言う。イヴァンはグロリアと仲良くなり、川のほとりで遊ぶようになる。グロリアとイヴァンは、バイクに乗っているマウロを見かける。雨の日、マウロはグロリアに会いに来て、自分は町を出るので金が要るとヴィセンテに伝えろと言う。イヴァンは夜、川でボート遊びをしている少年たちを見る。彼らは船の下で息をする方法を教えてやる、と言う。ヴィセンテはイヴァンに自分が建てている家の建築現場を見せる。夜ふたりは遊園地でグロリアとマウロが一緒にいるのを見る。グロリアは誰もいない炭坑へ行き、「パパ」と語りかける。
グロリアたちと暮らしている少女サラは、出稼ぎから帰ってきてスイス行きを提案する父親の誘いを断る。グロリアは、空家に隠れているマウロに食べ物を運ぶようになる。いらだって夜出かけたイヴァンは、工事現場でマウロとグロリアに出会う。マウロは盗みを働こうとして見つかり、男たちに痛めつけられる。ヴィセンテは医者に持病の薬が必要だと言う。医者は彼にリスボンへ行くように薦める。カフェでヴィセンテとマウロが偶然出会う。マウロはヴィセンテを後ろから傘で殴る。マウロはヴィセンテに家と土地を売れと言うが、ヴィセンテはイヴァンと住む家だと答えて拒否する。夜、イヴァンとグロリアは川遊びに行ったまま行方不明になる。ヴィセンテは酔いつぶれたマウロに問いただすが答えない。朝、流れていくボートが見つかり、グロリアだけが発見される。ヴィセンテはひとり家の工事を続けている。