スカンジナヴィア半島の北端一帯は「北の冠」と呼ばれ独自の植生を誇っていた。映画はこの地域の人々の文化を捉えていくが、その豊かな土壌は産業化の波により次第に浸食され、1986年のチェルノブイリ原発事故で甚大な放射能汚染を被る。地球環境をめぐる普遍的な問いを投げかける本作はストローブ゠ユイレに捧げられている。