発狂死した男が残した屋敷を訪れた関係者たちを、屋敷に取り憑いた悪霊が襲うという、本格的なゴシック・ホラー。日本映画では怪奇映画の表現がまだ確立していなかった時代にもかかわらず、リサーチに基づく薀蓄と独特の美意識に溢れ、先見性に富む。新劇俳優陣の演技も見どころで、特に二役の西村晃と霊媒を演じる鈴木光枝の怪演が光る。