長女の不倫、妊娠をきっかけに三人姉妹の間に起こる小波瀾を、たった一間の和室のセットを使った「光」のドラマとして演出。彼女たちの感情の揺れを捉える作家の繊細な眼差しは成瀬的な女性映画の伝統に連なるものだが、ふとしたはずみにルノワール的な欲望が画面を貫く。人生の一断面が鮮やかに切り取られた愛すべき小品。