大学生の男女の同棲生活から始まると見せて、ドラマはまたたくまに解体され、その背後にあるものをまさぐるようにイメージの連鎖が、時間軸を自由に往還しながら重層的に構築されていく。時代体験に裏打ちされた自己の取り巻く状況への真摯な認識が熱き疼きとなって観る者の胸を打つ。