杏さゆりのキュートな魅力に惹かれ、今時の若者の柏原収史は、津軽三味線などにうっかり手を染め、地中深くに作られた特異な構造の日本家屋の長い階段を彼女とともに昇り降りする羽目になる。文字通りのどん底から高台の闘技場へ。再起をかけた彼の上昇運動を筒井は緻密に設計し、芦澤明子のキャメラが見事にそれを捉える。