才知によってユダヤ人を虐殺から救ったペルシアの王妃エステルの物語を、権力の逆転劇とその濫用に対する批判へと政治的に読みかえたギタイ初の劇映画。アルカンのカメラによって再現された細密画のイメージ、ロケ地の騒音や役者の自己紹介までも取り込んだ虚実交える手法は、パラジャーノフとストローブ=ユイレを同時に想起させる。