地方都市の駅前商店街。かつての活況は見る影もなく、店々は深くシャッターを閉ざしたまま沈黙している。それを見下ろすかの如く郊外に聳え立つ大型店。その町で、姉はささやかな幸せを望みながら暮らしていた。ある日、夢破れた妹が東京から戻ってくる。変わり果てた故郷の姿を目の当たりにした彼女は、思いもよらぬ行動をおこす。第三部「伊勢編」は、マユミの誕生とその原点を探る完結編。物語は壮絶を極め、圧倒的な結末へと至る。姉妹の愛と憎しみがこの世界の現実を括り出す。